臨床工学科について
医療技術部・臨床工学科は平成18年4月に設立しました。
臨床工学技士は生体の一部を代行する生命維持管理装置を取り扱う専門技術者の国家資格です。病院内で、医師・看護師や各種の医療技術者とチームを組んで生命維持管理装置の操作などを担当しています。また、医療機器の操作とその保守点検、院内スタッフに対する臨床技術提供や医療機器教育を行っています。
血液浄化業務
血液透析とは腎臓の機能が低下して慢性腎不全に至った患者さんに対し、血液を介してその機能を代行する治療です。当院では透析室20床、ハイケアユニット(HCU)で血液浄化可能となっております。
その中で臨床工学技士は透析機器の操作・管理や透析液の水質管理、特殊な血液浄化などを行っています。治療中の手技や装置の操作、透析療法に関する知識などの習得に対して指導や情報提供を行う役割も臨床工学技士が担っています。
人工心肺循環・手術部業務
心臓や大血管の手術をする場合、一時的に心臓を停止させた状態で手術を行います。心臓を停止させている間に、全身の血液循環を代行する生命維持装置が人工心肺装置です。臨床工学技士は回路の組み立て、人工心肺の操作、心筋保護液注入の操作、冷温水層、自己血回収装置などの機器の操作を行い、円滑な手術の進行をサポートしています。
ハイブリッド手術室ではステントグラフト(EVAR TEVAR)などの血管外科手術の外回りを担い、緊急時に備えています。
また、麻酔器などの生命維持管理装置の保守点検も行っています。
ME管理業務
保守・メンテナンス室にて人工呼吸器、輸液・シリンジポンプ、など様々なME機器の保守点検業務また中央管理を行い、安全かつ効率的な機器の運用に努めています。
臨床工学技士により保守点検が済んだ状態で貸出用として保管されており、必要時にいつでも使用できるようになっています。返却されたME機器はその都度に保守点検を行い、再び貸し出せる状態にしています。
循環器業務
ハイブリッド手術室にてアブレーション、CIEDs(ペースメーカ、ICD、CRT-D)植込み・交換術(フォローアップ、遠隔モニタリング含む)業務を行っています。カテーテルアブレーションは、脈が速くなる頻脈性不整脈を起こす原因となっている異常な電気興奮の発生部位を焼き切る治療法です。心房細動や心室性期外収縮、心室頻拍など多くの不整脈に対してアブレーションを行っています。
臨床工学技士は、主に高周波発生装置の操作を担当しています。徐脈性不整脈には、脈を補うためにペースメーカが、致死性不整脈にはショック機能を有した植込み型除細器(ICD)や両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)の植込みが適応となってきます。手術中のアナライザ・プログラマ操作・設定などを臨床工学技士が担当しています。
スタッフ
臨床工学技士
上記のうち、以下の資格を保有したスタッフが在籍しています。
透析技術認定士
呼吸療法認定士
体外循環技術認定士
チーム医療の一員として、現代医療に欠かせない高度医療機器の適正な使用・安全管理に努め、患者さんが安心して治療を受けられるよう業務を行っています。